1.相続財産の中の現金の割合を高くする
現金の割合を高くするというのは、基本的に相続(相続税の納税)は現金で行わなければならないことが重要になるからです。財産に現金が占める割合が少ないときは、相続税の支払いが困難になります。不動産などを慌てて現金化しようとしても買い叩かれるケースが多く、また、物納そのものが必ずしも認められるわけでもありません。
そういったケースを想定すると財産のなかに現金が多いほうが有利になります。
2.財産を区分しやすくする
具体的には、例えば、1つの土地と家屋を被相続人の3人で分けるというのは困難です。そのため、財産を1つに集中させずに、分配が容易になるような現金預金が多くある、あるいは土地が幾つかに分かれていると財産が分けやすいと言えます。
3.贈与で相続財産を減少させる
贈与税の基礎控除は110万円になりますから、110万円までの贈与には課税されません。
しかしこの方法では10年間で1,100万円しか贈与できません。視点を変えて贈与税の課税最低税率10%に着目すれば、課税価格200万円(贈与金額310万円)迄は10%の税率で済みます。つまり310万円の贈与に対して20万円の贈与税を払うことによって10年間で3,100万円(贈与税は200万円)が移転できることになります。
4.配偶者への贈与には大幅な控除制度がある
婚姻期間が20年以上の夫婦間において居住用不動産又はそれを取得するための金銭の贈与をしたときには、贈与税の計算する際、贈与財産の価額から2,000万円の控除をすることができます。したがって、贈与税の基礎控除を含めると2,110万円までの贈与財産は贈与税が課税されないことになります。
■婚姻期間が20年以上の夫婦間で1回だけ贈与税の配偶者控除は利用できます。
■既存の居住用不動産の贈与は持分の贈与で配偶者控除の適用があります。
5.相続時精算課税制度を利用する
相続時精算課税制度を利用しますと、60歳以上の親から、20歳以上の子及び孫へ2,500万円までは無税で贈与でき、2,500万円を超えると超えた額について一律で20%の贈与税が課されます。
また、親の相続税の計算の際に、贈与した金額を全て相続財産にプラスし、支払った贈与税を相続税額から控除します。
6.養子を迎えることにより基礎控除額を増加させる
相続税の基礎控除額を増やすことで節税ができます。基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数ですから、で養子縁組をすることで、法定相続人の数を増やします。しかし、相続税の計算上法定相続人の数に含めることができる養子の数は、次のとおり制限されていますのでご注意ください。
■実子がいるとき・・・・・・ ・・養子とみられるのは1人だけ
■実子がいないとき ・・・・・・ 養子とみられるのは2人まで
7.現金を不動産に換える
これは、現金よりも不動産の方が相続税評価額を安くすることができるからです。
なぜなら、現金はそのままの額が相続税評価額となるところ、土地の場合は、原則として路線価による評価方法が一般的で、評価額は取引価格の60%程度です。また家屋の場合は、相続税評価額の計算は固定資産税の評価額で評価します。 この固定資産税評価額は取引価格の70%程度が一般的です。
従って、節税対策としては現金よりも不動産で資産を持っているほうが有効になります。しかし不動産は、持っているだけで固定資産税などの税金がかかったり、すぐにお金に換えることは出来ないなどのデメリットもあります。
8.空き地にアパートやマンションを建てる
建物の評価(評価とは相続税を計算する際に使う金額)は、建築費に比べてかなり割安に
なります。
更にアパート・マンションなどの賃貸にすることで、借家権という権利を控除することができるため、多くの場合、建物の評価は建築費の半分以下にすることができます。
9.生命保険に加入する
生命保険金の場合500万円×法定相続人の数 が非課税になります。
また、現金で支払われるため、相続人の納税資金にしたり、財産分割の際の資金に活用することができます。
10.早めにお墓や仏壇を購入する
お墓、礼拝物、仏壇などは非課税財産になります。
お墓の場合ですと、使用権を買うだけで土地を買う訳ではありませんので、不動産取得税もかかりません。ですから、親などが生前に墓をたてればその分は非課税となりますので、相続する遺産が減り相続税が減りますので節税になるといえます。