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改正電子帳簿保存法を読み解くその7~タイムスタンプについて~

改正電子帳簿保存法の解釈で一番迷うのがタイムスタンプの取扱いについてではないでしょうか。タイプスタンプ対応のため別途システムを導入することを業者さんに勧められた会社の経理後担当の方も多いのではないかと思われます。このブログがそれに対する判断の一助になれば幸いです。

■そもそもタイムスタンプとは
タイムスタンプとは、「ハッシュ値」(※1)と「時刻情報」を結合したもので、ある時刻における電子データの存在を証明するものです。電子帳簿保存法においては、データの信頼性を担保し、改ざん防止の役割を担っています。書類であれば、書き替えると後が残り、筆跡などから誰が書いたのかといった情報を推測することができます。

電子データで保存すると、書類にあるような筆跡や劣化といった、変更を確認できる情報は少なくなります。

こうした変更や改ざんが分かりにくい電子データに対してタイムスタンプを付与することによって第三者が検証することができるようになります。

(※1)ハッシュ値は、計算によって生成されます。対象データが同じであればハッシュ値は変わらないという特徴があるので、タイムスタンプのハッシュ値と、対象データから生成されたハッシュ値を比較することで、タイムスタンプが付与された時刻以降にデータに変更がないかどうかが分かる仕組みとなっています。

■法改正でタイムスタンプは不要になったのか?ならないのか?

2020年10月の法改正では、自社のタイムスタンプ以外に取引相手のタイムスタンプも認められることとました。

例えば取引先からの請求書であれば、取引先のタイムスタンプが付与されていれば、自社のタイムスタンプは不要になります。

この要件緩和により書類を取引先からPDFデータで受け取り、そのまま保存できるようになり、利便性が格段にあがりました。契約書などは電子契約サービスが普及してきていますので、相手から届いたクラウドの契約書にタイムスタンプが付されていれば、電子保存の要件を満たしており、そのまま保存ということもあり得ます。

一方社内で取引証憑をスキャナ保存で電子データ化する場合、電子データが作成された日時を確定するタイムスタンプは、改ざんなどの不正防止に必要不可欠なシステムです。これまでの電子帳簿保存法では、タイムスタンプの付与は受領(署名)後の3日以内に実施しないとなりませんでしたが、今回の改正では「最長2か月以内」に延長されています。さらに、電子データの修正・削除をログで残せるシステムのあるサービスを利用している場合は、タイムスタンプ付与の代わりに、クラウド保存でも対応が可能となりました。3日から2か月に延びたことで、作業にゆとりが生まれ、タイムスタンプにかかるコストの削減や、作業負荷も軽減されると見込まれています。

以上です。

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