2年前(2019年)の11月に一般財団法人 統計質保証推進協会の主催する統計検定2級の試験に合格しました。それ以前に受験した4級、3級と比較すると試験内容がかなり統計学チックになっており、端的に言うと推測統計学の初歩に足を踏み入れたレベルの試験です。ちなみに受験にあたり主に利用した参考書は「統計学の時間」というWebサイトとKindleで購入できる統計検定2級模擬問題集、そして過去問でした。
ところでなぜ統計学の勉強を始めたかと言いますと、公認会計士の資格のベースとなっている学問である会計学がAIや機械学習(経験からの学習により自動で改善するコンピューターアルゴリズムもしくはその研究領域)で、人工知能の一種の知識を吸収し装い新たになりそうだったからです。会計学の一分野である会計監査もその例外ではなく、大手監査法人では次世代監査研究と称して有名大学(新日本監査法人は東京大学、あずさ監査法人は一橋大学。いずれもホームページで確認)と共同して既述したAIや機械学習の知識を応用した監査手法の研究を進めているそうです。私福田が会計監査を中心に仕事をしていた頃はバブル期からバブル崩壊初期(崩壊というと耳障りが悪いですが景気はまだバブルの尾を引いてそれなりによかった)の頃でまだリスクアプローチ(監査リスクを合理的に低い水準に抑えるために、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを評価し、発見リスクの水準を決定する手法)も本格的に導入されておらず、経験的試査全盛といった感じでした。好景気だったので不正など(大手)企業ではまずありえないと信じられた幸せな時代でしたが、現状のように企業不正が珍しくない状況になると、経験的試査では監査意見の科学的根拠の基盤とするにはあまりにも脆弱なので、リスクアプローチ、ひいてはクライアントである大手企業が提供するビッグデータを的確に分析できる機械学習や計量経済学的手法を会計監査に導入する必要性が出てきたのでしょう。
現在統計検定準1級の勉強を継続中ですが文系出身で数Ⅲ未履修だった自分には少しきついです(苦笑)。受験生の間で有名な「統計学実践ワークブック」を中心に使用しておりますがたまにわからないことがあると仕事の最中にもそれが気になったりします。公認会計士試験にも統計学の試験が選択項目でありますがざっと内容を拝見したところ統計検定2級を(記述式という意味で)やや難しくしたレベルといった感じです。まあ50歳になるときに死ぬまで(何かの)勉強をするという覚悟を決めましたので、現在59歳ですが、これからでも本業はもちろん、プログラミングや人工知能の勉強にも挑戦するつもりです。
このテーマは奥が深いと感じておりますのでまた折に触れて言及したいと思います。